田村山安養寺

安養寺の諸仏についてのご紹介です。
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 安養寺の歴史
安養寺の本堂は室町期の作で、田村氏の書院を元に旧万願寺御堂内陣の一部を寄棟造りとして建てたと言われ、手斧の跡を残す柱などに古刹の面影を偲ぶことができます。
寺の本堂には平安から鎌倉にかけての見事な仏像が並んでいて、訪れる人に驚きの目を見はらせます。六百年前の古仏象は二十体を超し、中でも阿弥陀如来座像は平安時代の様式を具え、端麗、細部の手法も見事、武蔵野の寺院の内でも一、二を争う優秀作として昭和二十九年十一月東京都重宝に指定されました。
 安養寺の仏様と遺構
 本堂阿弥陀如来像
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御堂の本尊として安置された寄せ木造り檜木で漆塗り金箔は所々に残っています。補修は殆ど無く、当時の姿を良く残している等身像でです。藤原時代の様式を具備し、像容は端麗で細部の表現も行き届き高雅な、洗練された美しい仏像です。関東の寄せ木造りの最も古様を示し、製作年代も古く十一世紀後半頃製作されたものと思われ、一本造りから寄せ木造りに移行する初期の関東における重要な作品とされます。(身高90cm・膝幅69.5cm
 大日如来立像
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鎌倉時代の作で、寄せ木、檜木材、漆箔、像高40.8cm。知拳印を結ぶ金剛界の大日如来で、細く見開いた眼に、精巧な玉眼がうかがわれます。玉眼と同様に顔、肢体、衣文に現実感が強く写実的である点は鎌倉時代の特色を表しています。気品があり重厚な厚みを持つ作品で、小像とは思われない大きさの量感を感じさせます。また、大日如来像は座像が多く、立像は極めて珍しいお姿です。
 毘沙門天像
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寄せ木造り、檜木材、像高132cm、藤原末期の特色をよく示した作品です。腹体をかんだ獅喰み(ししがみ)の彫りの見事さ、甲冑を通して肢体の動きの美しさが勝れています。また、交通安全の御利益があるとして、大小さまざまな虎の張り子のお守りが用意されています。
 阿弥陀如来像
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鎌倉時代の作、寄せ木造り、檜木材、漆塗り、像高22.4cm。快慶様式の来迎の阿弥陀如来のように思われます。檜木材を白檀か象牙のように彫ってあり、像のスケールを大きく感じさせる勝れた作品です。
 薬師如来座像
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「薬師」とは「瑠璃光(るりこう)浄土の主」という意味があり、薬師瑠璃光如来とも呼ばれます。大乗仏教における如来の一尊です。
当山の薬師如来像は貞享年間(十七世紀後半)の作。檜材の寄木構成で、仕上げは漆塗りです。
 千手観音立像
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当山の千手観音像本体は元禄時代(十七〜十八世紀)の作で、檜材の一木彫り、漆塗り仕上げですが一部に彩色が見られました。
当初は相当に痛みが激しく、千手観音像には見えませんでしたが、近年の修復時に手を取り付けたと見られる多くの溝が発見され、千手観音像と判明し、現在のお姿に修復されました。
 大日如来座像
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当山の大日如来坐像は端正な結跏趺坐で、丸い台座の特徴から江戸前期の作と推定できますが、台座や光背は後から取り付けられた可能性もあり、もう少し古い時代の作とも考えられます。宝冠の厚みに加え、全体の柔らかな造形に作者の力量がうかがえます。
 八臂辨財天像
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別名「辨財天女」とも呼ばれ、七福神の中では、ただ一人の女性の天王です。インドでは「サラスヴァテイ」(妙音天又は美音天と現され、音楽や歌謡に優れた美女)と言われます。当山の八臂辨財天像は享保八年(一七二三年)の銘があり、檜材の木彫に漆が塗られておりますが一部極彩色仕上げが見られます。また、胎内仏も納められています。
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「安養寺の諸仏」
安養寺が所蔵する諸仏につての詳しい解説書をご用意しております。B5版フルカラー32頁。頒布価格1.000円(税・送料込み)。お求めはは安養寺まで。
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「安養寺の法具」
法要などで使用する法具につての詳しい解説書をご用意しております。B5版フルカラー32頁。頒布価格1.000円(税・送料込み)。お求めはは安養寺まで。
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「安養寺の建築」
安養寺本堂と薬師堂、客殿などについて解説した写真豊富な冊子です。B5版フルカラー32頁。頒布価格1.000円(税・送料込み)。お求めはは安養寺まで。